小児の受け口の治療
小児矯正の目的で一番重要な事は呼吸の仕方です。
呼吸は無意識にしているのであまり気にしない方が多いのですが動物は鼻呼吸しか出来ません。
人間も動物ですので本来鼻呼吸が基本ですが、人間は言語が発達していく過程で口呼吸が出来るようになったと言われています。
鼻呼吸の重要性はまたの機会にお話しますが、上顎は風船と同じで鼻呼吸でいつも空気を入れてあげないと大きく膨らんで成長しないです。
よって鼻呼吸をしないと鼻腔の発達が劣り上顎骨の成長も劣ることで受け口になる人もいます。
この男の子は小学生のうちから受け口になっておりセファロ写真で鼻の気道が細くなっているのが分かります。
上顎が劣成長(成長が劣っている)で下顎が過成長(成長し過ぎている)状態が見えます。
このままだと、下顎が思春期成長で成長するとますます受け口が酷くなる事が予想されます。
下顎は身長が伸びている時に一緒に成長しますが、上顎は大体10歳ごろまでにほとんどの成長が終わっていますので、
人工的に上顎を前に出すようにしなければなりません。
そこで急速拡大装置を上顎に装着して顎を横に拡大して同時にフェイスマスクで前に成長させます。
半年間毎日寝る時間に下記のフェイスマスクを付けて寝てもらいます。
上の顎が前に成長して受け口だった前歯の咬み合わせが正常になりました。
鼻の気道も太く改善されました。これで鼻呼吸しやすい状態になりました。
このように小学生ぐらいの年でしたら受け口の根本的な原因を改善し治す事が可能です。
この治療は早くやれば効果が出る治療ですので出来るだけ早くすることをお勧めします。
当医院では、急速拡大装置(100,000円+税)、フェイスマスク(50,000円+税)で行っています。
中学生になって2次矯正でワイヤーを付けて歯並びを治していきます。
身長が伸びるのが止まるまで写真のような3級ゴムを続けないといけません。
この子の場合、高校2年生まで続けないといけませんでした。
ようやくワイヤーが取れました。最初の状況と比較してください。
治療前後の横顔の変化です。
綺麗な横顔です。
主訴: 噛み合わせを治したい
矯正装置(急速拡大装置、リンガルアーチ)、フェイスマスクを使用。
治療の流れ
左右上 第一大臼歯の保定・保隙の為、リンガルアーチを使用。
左下 第一大臼歯の遠心移動・保隙のため、リンガルアーチ(DELA)を使用。
(第一次矯正治療終了。現在、第二次矯正治療中)
10歳男性 | 県西部在住 |
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治療期間 | 1年6ヶ月 |
費用 | 「診断料 30,000円+税」 「急速拡大装置 100,000円+税」 「矯正装置(リンガルアーチ) 60,000円+税」 「フェイスマスク 50,000円+税」 「月々の調整費 5,000円+税」 |
リスク | ・矯正装置装着後、数日間は歯が浮いたような痛みがあります。 ・ワイヤーや器具が歯茎や唇にあたり、傷や口内炎ができやすくなります。 ・稀に、歯を動かすことで歯根吸収、歯髄壊死を起こす可能性があります。 ※歯根吸収…歯の根が短くなること ※歯髄壊死…歯髄(歯の中の神経を含めた組織)が死んでしまうこと ・成長期の歯並びに影響したり、親不知が生えたり、顎関節症の原因となる場合には、抜歯をする可能性があります。 ・矯正治療中に虫歯が発見された場合は、同時に治療することも可能ですが、 歯の形に大きく影響がある場合は、矯正治療を中断する可能性もあります。 ・矯正治療中、口が開きにくくなったり、顎に音がするようになったり(クリックオン)、 痛くなったなどの症状が出た場合にはすぐにお知らせください。その場合は、顎関節の治療をすることがあります。 |
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